コロナ後、アメリカのドル金利がどんどん上がっていっていますが、シンガポールの金利も同様に上がっています。今回は、その金利上昇の影響を受けているシンガポール国債について紹介したいと思います。
3タイプのシンガポール政府発行の国債
シンガポール政府発行の個人向けの国債は大きく以下の3種類あります。
- SGS Bonds (Singapore Government Securities bonds)
- T-bills (Treasury bills)
- Saving Bonds
特徴
それぞれの特徴を見て、どれがご自分に合ったものなのかを見てみましょう。
いずれも満期まで保有していれば元本を額面どおり受け取れますが、SGS BondsとT-billsは途中で市場での売却が可能ですが、受け取れる金額は額面どおりとはいきません。
| 項目 | SGS Bonds | T-bills | Saving Bonds |
|---|---|---|---|
| 満期 | 2, 5, 10, 15, 20, 30年 | 6か月, 1年 | 最大10年 |
| 最小投資額 | 1,000SGD | 1,000SGD | 500SGD |
| クーポン | 固定クーポン | クーポンなし 割引発行 | 固定クーポン 利率は保有期間に従って増加 |
| 利払いタイミング | 6か月ごと | 満期時 | 6か月ごと |
| 売却 | 可 | 可 | 不可 |
| 解約 | 途中解約なし | 途中解約なし | ペナルティなしでいつでも解約可能 |
金利比較
金利面を比較してみましょう。Saving Bondsは、いつでもペナルティーなしで解約し元本を戻すことができる分、金利若干低く設定されています。あくまで参考までに2022年5月時点の情報を比較してみると以下のようになりました。
| 年数 | SGD Bonds | T-bills | Saving Bonds |
|---|---|---|---|
| 6か月 | – | 1.63% | – |
| 1年 | – | 1.68% | 1.43% |
| 2年 | 2.21% | – | 1.92% |
| 3年 | – | – | 2.16% |
| 4年 | – | – | 2.30% |
| 5年 | 2.57% | – | 2.37% |
| 6年 | – | – | 2.43% |
| 7年 | – | – | 2.46% |
| 8年 | – | – | 2.49% |
| 9年 | – | – | 2.51% |
| 10年 | 2.73% | – | 2.53% |
| 15年 | 2.87% | – | – |
| 20年 | 2.90% | – | – |
| 30年 | 2.71% | – | – |
まとめ
1年程度の短期で運用を考えている方はT-bills。1年超の運用を考えている方で、満期までの保有し続ける可能性が高い方は、金利の高いSGD Bondsにメリットがありますが、逆にいつまで保有しているか不確かな人で、元本割れのリスクを取りたくない方は、若干金利は下がるものの、Saving Bondsがよさそうです。
| 項目 | SGD Bonds | T-bills | Saving Bonds |
|---|---|---|---|
| 適したタイプの方 | 長期運用 満期までの保有が確か | 短期運用 | 長期運用 満期までの保有が不確か |
以上、あくまでも個人的、主観的に記載したものですので、正確に、詳しく知りたい方は、MASのホームページをご確認ください。

